忍者ブログ
自転車のペダルが軽い。陽だまりに透ける君の髪に触れると思っていた。
どうして陽だまりの気配に自分だけが気付くことができるのか、どうしてすれ違っても君を見つけられるのか、どうして君の足音だけが他とは違うのか、幼い我々は知らなかった。
眠りの最中でも自分は君の足音で目を覚ますことができる。
美しい朝の陽だまりに足を踏み入れることに自分は怯えていた。陰りの端で立ち止まる。
美しい朝、花の匂い、鳥の羽ばたき。
君をあの街から奪って誰一人知らない街で一緒に暮らせばよかった。
君の部屋と胸に流れていた音楽がまた胸の奥を揺さぶっても、自分の空の器に赤い血が熱く流れることはない。
自分は霞と変わらぬ亡霊のままでいる。








にほんブログ村 メンタルヘルスブログ アルコール依存症へ
にほんブログ村
PR
灯台はない。駅も見えない。緑色の電車もない。男の顔も見えない。海もない。
しかし、ここは江ノ島である。
そのことを自分も男も知っていた。夜明け前、男の車で江ノ島に向かっている事実がそこに横たわっている。
人の姿は見えない。すれ違う車もない。窓の外は、一面に血を溢したように空が赤い。
赤銅色の空を眺め続けているせいか、自分は、長く続いた壮大な物語が終わったあとのような気分でいた。
それは長く続いた戦争や、数篇からなる分厚い小説や、まれに見る途方もなく長い夢や、世界や、大きな出来事が結実したときの気分だった。
男は車を停め、我々は外へ出た。自分も男も口を閉ざしたままでいる。男も世界の終わりの静けさの中に立っていた。
何も収束することなく、目が覚めた。
あの頃の日々が夢だったのか、まだ夢を見ているのか、自分にはわからない。








にほんブログ村 メンタルヘルスブログ アルコール依存症へ
にほんブログ村
自分の手の中にまた血が零れていた。生傷の絶えぬ人生である。








にほんブログ村 メンタルヘルスブログ アルコール依存症へ
にほんブログ村
■自分は不義をした。そのぶんだけ自分は世界中の人間にさげすまれるべきなのだ。因果は正しく作用したし、当然だと思っていた。

■六月に見た夢。ずっと好きだったと言ったら、知ってたと笑われた。その純粋さを羨ましいと思った。棺桶の釘から灰が落ちるのを見ている。
目が覚めたら、寡黙な物言いや、自分の人格の隙間にたやすく入り込んでくる親しさ、それらがひどく懐かしかった。
この狭い仙台ですれ違って生きることすらできなかった。








にほんブログ村 メンタルヘルスブログ アルコール依存症へ
にほんブログ村
プロフィール
HN:
帰依
性別:
非公開
最新記事
(04/27)
(06/28)
(06/19)
(05/11)
(05/04)
P R
フリーエリア
powered by 忍者ブログ [PR]