今日もサイレンの音で目が覚める。そして手錠をかけられる夢を見る。
目が覚め、夢だ、と思って心から安堵する。
自分がかつてその粘着質な夢の中に立っていたことを考えると誠に不可思議な気分になる。
煙草に火を点ける。
あの場所に流れる音楽はなかった。
木々を風が撫でた。砕かれ合う波が光っていた。散った山茶花が路上を染めていた。名も知らぬ鳥が空を裂く姿を見たのはいつ振りだっただろう。
それを美しいと思った。大団円はない。深く理解していた。
それでも、どれだけもう一度会いたいと願ったことか。涙を流すに相応しい理由は、いくら探しても自分の手の届くところにはなかった。

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目が覚め、夢だ、と思って心から安堵する。
自分がかつてその粘着質な夢の中に立っていたことを考えると誠に不可思議な気分になる。
煙草に火を点ける。
あの場所に流れる音楽はなかった。
木々を風が撫でた。砕かれ合う波が光っていた。散った山茶花が路上を染めていた。名も知らぬ鳥が空を裂く姿を見たのはいつ振りだっただろう。
それを美しいと思った。大団円はない。深く理解していた。
それでも、どれだけもう一度会いたいと願ったことか。涙を流すに相応しい理由は、いくら探しても自分の手の届くところにはなかった。

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